金銅薬師如来像 懸仏
- 地域/時代 日本/鎌倉時代
- サイズ H8.6×W5.8×D3.7㎝
- 状態 良好、ところどころに鍍金が残っています
- 付属品 台座、桐箱(現在製作中)
- 品番 43nk-119
よく見る懸仏に比べて立体感に富み、浮き彫りというよりも丸彫りに近い感覚を覚えます。像高は9㎝に満たない小像ながら、迫力がある懸仏です。
元々は御正体の中心に据えられた尊像だったのでしょう。鎌倉時代になると懸仏は立体感を増すようになります。本像もまたそうした時代の作と考えられます。
細部に目を向けると、非常に細やかな作行きです。
切れ長の目や鼻筋、手足、衣紋線、そして蓮台。掌には薬壺を乗せ、その繊細な指先にも目が止まります。
穏やかで凛とした表情に感じる、安らぎと心地よい緊張感。
往時の人々の信仰心を伝える丁寧な作行き。
どんなに小さな像でも、良い仏像に共通することではないでしょうか。
時代が下るほど技巧的になる仏教彫刻ですが、精神性と技巧性が非常に良いバランスで共存するのが鎌倉期の像の良さです。
状態は良く、所々に鍍金が残っています。
仏教美術の定番である懸仏の中でも、きらりと光る特徴のある像です。
[担当|大塚麻央]
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