ローマングラス長頸壺
- サイズ H7.3×W5.8×D5.8㎝
- 状態 良好
- 付属品 桐箱
- 品番 43nk-041
見どころの多いローマングラスを入手しました。
3世紀ごろ、現在のシリア周辺で作られたローマングラスの小壺です。

宙吹き(ちゅうぶき)の技法で成形した古代ガラスで、ふっくらと膨らんだ胴と、ラッパのようにやわらかく開いた口縁に素朴な愛らしさがあります。
後世の長頸壺へとつながる、原初的な器形ともいえるでしょう。
このような器形の古代ガラスは自立しないことも多いですが、本作は非常に安定感があり、ぐらつきもありません。

古代ガラスの美しさのひとつである虹色の銀化は、長い年月を土中で過ごすなかでガラス表面が変質し、薄い膜状となって現れる現象のこと。
本作は器の外側ではなく、内側に銀化が広がっています。
銀化は手に触れる度にポロポロと剥がれ落ちてしまいますが、本作は内側の銀化がガラスを通して見えている状態なので、触れることで剥がれる心配はありません。そこも地味に嬉しい点。

首から上の部分を見て頂くとはっきりわかる通り、元々の色は淡緑色のガラス。こちらもまた淡く美しい色味で、銀化と元々のガラス色の双方がバランスよく表れている作です。
ガラスには多くの気泡が含まれており、それによって乱反射する輝きにもまた目を奪われます。

丸い胴部をよく見て頂くと、波紋のような細やかな凹凸が作られていることが写真でもお分かり頂けるでしょうか。宙吹きの後、形を当ててこのような意匠を作り出したのでしょう。
口縁部の立ち上がりの作り方なども含めて、全体的に丁寧で細やかな作行きです。

二千年近い時の堆積を静かに感じさせる古代ガラス。
花器として用いる方も多くいらっしゃいますが、銀化は非常に繊細で、水分に触れることで剥離してしまう場合があります。
銀化の美しさを味わいたい方は、花器にはせずにそのまま飾っていただくのがおすすめです。
[担当|大塚麻央]
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