銅造不動明王立像
- 地域/時代 日本 / 鎌倉時代
- サイズ H10.3×W3.0×D3.2㎝
- 状態 良好
- 付属品 桐箱
- 品番 41nk-18
高さ10.3cmという小像ながら、鎌倉時代らしい力強さと写実性が凝縮された不動明王立像です。
不動明王は、密教の最高仏である大日如来の化身とされています。煩悩に迷う人々を力ずくでも救い出すため、恐ろしい憤怒の姿をとっていますが、その本質は深い慈悲にあります。

まず目に止まるのは、その凛とした立ち姿ではないでしょうか。重心を左右に傾けず、両足ですっと立ち上がる様は、迷いのない意志の強さを象徴しているかのようです。

重なり合う衣の厚みや、裾へと流れる衣紋(えもん)のひだには、鎌倉時代特有の豊かな量感が表現されています。胸から腹部にかけての起伏や、背中から腰にかけての曲線も非常にリアルな人体表現。確かな生命感を放っています。

眉間を引き締め、口を一文字に閉じた表情は厳格ですが、どこかユーモラスで親しみやすい情愛も感じられないでしょうか。お顔をまじまじと見て引き込まれるほど、表情の細やかな部分まで磨耗することなく残っていることも大変貴重です。

両手に携えた持物(じもつ)も、当時の姿をよく留めています。右手に掲げた黄金色の「利剣(りけん)」は、私たちの迷いや執着、あるいは悪しき縁を断ち切る智慧の象徴。そして、左手に提げた「羂索(けんさく)」は、煩悩に溺れる人々を救い上げ、正しい道へと引き戻すための縄。暗褐色の体躯に鋭く光る剣の輝きが、この小さな像に確かな威厳を添えています。
このような像では、持物が欠損していたり、後補で作られていることがほとんどですが、本作は両者共に制作時のものが状態よく残っています。

このような非常に良い保存状態は奇跡的といっても良いもの。時代を超えて人々の心の拠り所となり、大切に引き継がれてきたことがよくわかる仏様です。
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