古伊万里白磁錆絵輪線文猪口
¥170,000
- 地域/時代 江戸時代後期
- サイズ H5.8×W7.9×D7.8㎝
- 状態 無傷
- 付属品 桐箱
- 品番 39nk-86
白洲正子好みで知られる、シンプルでミニマルな古伊万里の猪口。
白磁の素地の上にはうっすらと櫛目のような横縞文様、そして胴と口縁にぐるりと錆釉で色を差しています。
星の数ほどそば猪口はあれど、こんなモダンな意匠にはなかなか出会えません。
姿よく、すっきりとして非常に洒落ています。
そんなところを白洲正子氏も気に入ったのではないでしょうか。
『器つれづれ』―――白洲氏の普段使っている器の数々を撮影し、まとめた一冊。
その中で、本作と同手のものが紹介されています。
(出典:白洲正子著 藤森武撮影『器つれづれ』世界文化社, 1999年, p.69)
白洲氏は本のなかで伊万里についてこのように語っています。
「私は、初期のものを含め、伊万里の染付はたくさん持っている。…大半がふだん使いの食器だが、丈夫で、絵も面白いから、長年、機会をとらえて使っている。それでも、一向飽きることがないし、和食であれ洋食であれ、どんな料理にも似合うところが、重宝でいい。最近はことに、デザインの強いもの、すっきりしたものに惹かれる。…古伊万里の皿などの秀抜なデザインを前に、どんな陶工の手によるのだろう、などと想いをめぐらすだけで、私は時の経つのを忘れるのである。」(『器つれづれ』p.86 )
「器つれづれ」では、さまざまなそば猪口が紹介されていますが、この猪口はひときわ目を引きます。
白洲氏が余程気に入っていたのか、後年武相荘で写しが作られ、販売されていたようです。
夏の夕方、ヒグラシが騒がしくなる頃。
次郎と正子は山盛りの蚕豆の鉢とビールを目の前にならべ、過ぎ去った昔を語り合うのが常だったといいます。
そんな日常のなかできっとこの猪口も使われていたのでしょう。
状態も良く、無傷です。
そば猪口のなかでは大ぶりなので、使い勝手も良し。
単純でありながら斬新。まさに江戸の粋を感じさせるそば猪口です。
店舗で実物をお手に取っていただくことが可能です
来店予約