ホータン 塑像如来立像残欠
¥750,000
- 地域/時代 中央アジア(ホータン) / 6-7世紀
- サイズ H11.2×W14.9×D4.2㎝
- 状態 良好
- 付属品 桐箱
- 品番 1-42
タリム盆地南縁、シルクロードの要衝として栄えたオアシス都市、ホータン 出土の塼仏(せんぶつ)です。塼仏とは、粘土で成形・焼成された小型の仏像で、石窟内部の壁面などに多数はめ込まれ、荘厳の一部を担ったもの。本作もその一片であり、かつては同様の像とともに空間全体を彩っていたと想像されます。

像は阿弥陀如来を表し、やわらかな面差しと整った目鼻立ちに、どこか親しみやすさを感じさせます。特筆すべきは彩色の残存状態で、背面には深みのある青が広がり、像の輪郭には朱が細く縁取られています。
このような鮮やかな色彩が石窟全体を彩っていたことを想像すると、往時のたいへん華やかな様子が想像できますね。

鉄線描と呼ばれる朱線による肥瘦のない輪郭表現は、画家 尉遅乙僧 によって生み出されたと伝わる技法で、形を際立たせると同時に、像に清冽な印象を与えています。
ホータンは、シルクロード南道に位置し、古くからインド・西域・中国の文化が交わる地でした。この地の仏師たちが東へと移動し、法隆寺 の壁画制作に関与したとする説もあり、その意味で本作は日本仏画の源流を考えるうえでも興味深い資料といえるでしょう。

タクラマカン砂漠を挟んで南北に分かれるシルクロードのうち、南道に位置するホータンの遺物には、北方の遺跡とは異なるやわらかな表情が見られ、日本の仏像や仏画へと通じる感覚もどこかに感じられます。本作の阿弥陀如来もまた、丸みを帯びた輪郭線や穏やかな顔立ちが、とても印象的です。
仏教が広大なユーラシアを大地を横断して伝播していった、その時間と空間の厚みを感じさせる一片。小さな断片でありながら、文化の往来の記憶を確かに宿した遺品です。
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