新羅角坏 掛花入

¥440,000

新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
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新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
新羅角坏  掛花入
  • 地域/時代 朝鮮半島 / 三国時代5〜6世紀
  • サイズ H16.4×W3.6×D8.1㎝
  • 状態 良好
  • 付属品 桐箱
  • 品番 43nk-95

最近の嬉しい仕入れのひとつ。角杯の掛け花入れです。

床や棚に据えた器の花とまた一味違い、壁面に飾られた花にはぱっと目を引く存在感があります。特に蔓性の植物など、枝垂れる草花の風情を生かすにはもってこいの花入です。

竹花入や籠、蹲壺のような小ぶりな壺など、掛け花入れとして用いる花器にはいくつか種類があります。その中でも須恵器や陶質土器といった古代陶器に見られる、皮袋と呼ばれる器や本作のような角杯は、類品が非常に少ないもの。

 

古代の世界で儀礼など特別なシチュエーションでのみ用いられましたが、現代においても容易には見つからない品として多くの愛好家が憧れを寄せています。

 

同じく獣角を模したリュトンを含めれば、角杯は西アジアから日本まで世界中に類例が見られます。そのでも特に角杯を重視した国のひとつが、朝鮮半島の新羅でした。

新羅の角杯についての詳しい話は関連ブログに譲りますが、様々な史料から新羅人は牛角に特別な信仰を持っていたと考えられており、造形の面でもバリエーション豊かな角杯を生み出しました。

本作は、本物の牛角を忠実にかたどった極めてシンプルな角杯です。太さや大きさ、カーブの具合など本物そっくりですよね。余計な装飾がないところがとても格好良いいです。

 

古代陶器ですから、博物館などで見られる類品にも多傷のものがほとんど。そのなかで本作は非常に良いコンディションを保っています。無傷であるばかりでなく、鈍く艶やかな質感、黒々とした発色が美しく、美的な観点でも秀でた作ではないでしょうか。

 

奇跡的な遺物だからこそ、掛け花入に仕立てて現代まで伝えらたのでしょう。

最後に個人的にこの作品のグッとくるポイントを。

それは先端を中心に残るヘラ削りの痕跡。よくみると自然な曲線や鋭さを再現するために微妙な調節をしながら表面を削ぎ落とした跡が見て取れます。この細部へのこだわり、新羅人の角杯への特別な想いを感じ取れずにはいられません…。

 

容量的にたくさんの花が入れられるわけではありません。

 

花一輪。

それで充分に場を演出できる花入れです。

 

 

▶︎関連ブログ〈新角杯に秘められた新羅人の信仰〉はこちら

 

 

[担当|大塚麻央]

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