備前木菟香炉
茶陶として桃山から江戸時代にかけて隆盛を極めた備前焼には、焼締陶器特有の野趣漂う壺や瓶のイメージが強いですが、高い技術力で写実性の高い香炉や置物なども造られました。
両目に煙出しのための穴が開けられ、銅の中央で身と蓋が分かれるようになっています。
頭と胸には備前特有の胡麻釉が降り、線刻で表した羽毛、鋭い爪先、ぎょろりとした強い眼差しなどが、よく表現されています。
ぴょこんと立った耳が愛らしく、とても凝ったつくりの香炉。
座辺でお楽しみ頂きたい一品です。
右側の爪先が欠けていたので、共直しを施しています。