李朝三島暦手沓茶碗
大きく歪んだ形が存在感を放つ三島茶碗。
歪みは李朝陶磁の特徴のひとつとも言われますが、ここまで大胆な形はなかなか見られません。
予期しなかった焼成時のアクシデントから生まれた造形ですが、その歪み具合が心地よい曲線を描き、唯一無二の形を生み出しています。
内外には、暦手文、鋸歯文などいくつかの文様を組み合わせて細やかな象嵌が施されています。
焼成の具合はとても良く、素地と文様部分とのコントラストも明快です。
形だけではなく、この見事な意匠も目を見張るものがあります。
唯一無二の個性を持った三島茶碗。
片口として酒器にするもよし。
沓茶碗として茶を楽しむもよし。
この一筋縄ではいかない造形を生かすも殺すも所有者次第かもしれません。
仕覆は唐木綿で仕立てています。
中込と柱も新たに制作し、特別な仕立てにしています。