李朝円筒形石筥 [小]
₩2,519,000
愛好家の間で”石筥”と呼ばれる、石で作られた蓋付きの箱。李朝時代に刻み煙草をいれた容器として使われたものです。李朝の石工品の中では定番で、シンプルな形状と艶やかな深い黒色の魅力から高い人気があります。
石筥は方形のものが最も数が多く、次いで正方形、円筒形のものは比較的珍しいでしょう。
蓋は、中心部ほど厚みを残し、蓋を閉めた時にこんもりと僅かに膨らんで見えるように形作られています。底部を見ると、ひと回り小さく段差をつけた形に。
表面は油を塗布して磨き上げるという朝鮮の石工ならではの工法で艶やかに磨き上げられ、漆黒色が鈍く輝いています。
経年変化で色が白っぽくなっていたり、使用により表面の凹凸が目立つようになっていたりする石筥も多いですが、本作はコンディションも良く、元来の丁寧な作行きも相まって気品が漂います。
石山に囲まれ豊富な石材に恵まれた土地柄から、身近な調理用具から文人が用いる文房具まで多種多様な石工品が発展した朝鮮半島。柳宗悦は、朝鮮の石工品を”石もの”と愛着を込めて呼び、数々の石工品を蒐集し高く評価しました。オブジェとしても魅力的なものですが、花器としたり、香炉としたり、幅広く楽しむことができる一品です。
同じ形で大きいサイズのものもございます。以下のページをご参照ください。