黒田泰蔵 白磁茶碗
- 地域/時代 日本
- サイズ H8.0×W14.3×D14.3㎝
- 状態 無傷
- 付属品 共箱
- 品番 43nk-128

黒田泰蔵による静謐な空気をまとった美しい白磁の茶碗(鉢)です。
一見するとシンプルでミニマルな造形ですが、表面には轆轤目と研磨された跡が残され、豊かな質感と微妙なニュアンスが含まれていることがよくわかります。
緊張感のある冴え冴えした造形ですが、釉薬を使用しないどこかぬくもりのある肌なのが黒田泰蔵の白磁の見どころのひとつでしょう。

見込みは滑らかですが、外側は独特な轆轤目がくっきりとつけられています。
轆轤の線は均一ではなく強弱があり、どこか李朝白磁と共通する大らかさと温かさがあるように感じます。
下部にはキュッとすぼまった高台。
巧みな轆轤技術で、高台は厚めに作られているので、安定感も抜群です。
ぐるっと一周引かれた線もポイントですね。

黒田が白磁を制作し始めたのは1992年のこと。
若い頃、濱田庄司に李朝の白磁を見せてもらい、魅了されます。
それ以来ずっと白磁を作りたかったのですが、師である島岡達三から「白磁は若いときにやるもんじゃない」と言われ、心の奥底に温め続けた白磁への思い。
その後1992年、黒田が45歳のときに本格的に白磁を制作し始めます。
黒田は白磁についてこう語っています。
「白磁は、私にとっては形態とか釉調だけではなく、一つの真理みたいなものかもしれない。真理を知りたいという欲求があります。…うまく説明できませんが、この世では形態で具体化しないと人には読み取っていただけないから、私は白磁というジャンルで、それを言葉に置き換えている。器というモチーフをもって一つの言葉をつくっているような気がするのです。」
黒田泰蔵オフィシャルサイトより

真っ白で無垢な白磁はお抹茶が映えます。
また、径14cmで深みもあるので、鉢として料理や菓子を盛るのもいいですね。
白磁なので、どんな空間、そしてどんな料理でも受け止めてくれるでしょう。
底には「Taizo」の陰刻サインと「T」の刻印、そして共箱も付属しています。


[担当|深谷愛]
✳︎この作品の掲載期間は12月20日12:00までとなります。
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