藍柿右衛門文桔梗に蝶文皿
₩566,000
柿右衛門は16世紀後半に確立した伊万里焼の一種。
濁手と呼ばれる白磁や精緻な絵付などの特徴をもつ作品群は柿右衛門様式と呼ばれます。
藍柿右衛門はその中でも染付のみを用いた作品を指すものです。
桔梗と胡蝶。
その他余計なものは何一つ描かれておらず、余白を存分に生かした構成。
細筆を用いた輪郭線の内側をグラデーション状に染付を塗り込んだ絵付が、白磁に浮かび上がります。
桔梗は古来「朝顔」の名で呼ばれ、万葉集や源氏物語にも登場した日本には馴染み深い植物。秋草のひとつとされますが、暑さも盛りの頃に見ごろを迎える夏の花というのが現在の実感ではないでしょうか。
夏の日差しのもと、白砂の上に桔梗の紫色が冴え冴えとした光景は、紫式部ゆかりの廬山寺の風物詩。つがいの胡蝶も相まって、意匠の奥に文学性を読みとれます。
見込みは平たく、縁だけを直角に立ち上げた器形も洗練されています。
裏側にも余計な絵付はなく、ただただ美しい柿右衛門白磁の釉肌とフォルムを味わうことができることも非常に嬉しい点。
柿右衛門には技術の高さ故に、行きすぎた装飾性を感じることも多々ありますが、本作からはそのようないやらしさを感じません。
高台内には上手品を示す小さな目跡が3つ残されています。
元は5枚揃いですが、1枚ずつ販売いたします。
コンディションはいずれも無傷で、個体差もほとんどありません。
5枚揃ってご購入いただいた場合のみ桐箱をお付けいたします。