初期伊万里綾花柘榴文小皿 五枚組
直径約10㎝と掌に乗るほどの大きさの小皿。
綾花形にかたどった皿の中央に染付で柘榴が描かれ、楚々とした風情です。
素焼きをせずに施釉、焼成する生掛けの技法によるトロッとした独特の質感、完璧さに拘らない形の歪みにも大らかな趣があります。
染付の発色具合も爽やかな青色のものから紺色に近いものまでさまざま。それもまた初期伊万里らしさというもの。
とても魅力あるものを手頃な価格で仕入れられましたので、喜びはひとしおでした。
骨董蒐集家の秦秀雄は、誰もが好む見栄えのする大皿よりも何気ない小皿の美を評価したひとり。
著作には、目立ちはしなけれど粋で気の利いた小皿が多く紹介されています。
その解説の中に「こんなのがもっと欲しいね。もっと見たい。もっと探したい。」という一言があるのですが、この皿を見つけたときは、まさにそんな気持ちになりました。
一般に17世紀半ば頃までの草創期の伊万里焼を初期伊万里としますが、本作は類品の参考年代などから1630年代〜1640年代の作と推定されます。
5枚ともに傷はなく、コンディションは良好。
ただでさえ軟質な初期伊万里。しかも綾花という繊細な形にも関わらず、揃って無傷なのは奇跡的です。
5枚揃いで販売いたします。