粉引耳付茶碗
- 地域/時代 朝鮮半島 / 朝鮮時代初期15-16世紀
- サイズ H7.7×W17.2×D11.9㎝
- 状態 両耳に銀直し
- 付属品 御物袋、箱
- 品番 42nk-116
両側2箇所に耳を付けた粉引の茶碗です。大変珍しいものです。
このような装飾からして、元は祭器として祖先祭祀のために用いられた器物だったのでしょう。

朝鮮時代に入って儒教が国教となると、庶民階級に至るまで各家での祖先祭祀が義務付けられるようになります。
祭器は青銅器製であることが本来ですが、大幅に増加した祭器の需要を金属製のみでは賄えず、一部の特権階級を除いては陶磁器製の祭器が用いられることとなります。
粉引や粉青沙器、あるいは民窯の白磁で作られた祭器は、青銅器製のオリジナルの形を元としながらも、それとは似ても似つかぬ独創的な形や意匠で作られ、その奔放さがかえって魅力となっています。

両側の耳は縁から僅かに飛び出すようなかたちで取り付けられています。銀直しが施されていますが、形状からして元々から銀直しのない部分で完結していたのではないかとも考えられます。

内外に白化粧がたっぷりと施され、その上からかけられた透明釉も厚く施釉されています。
白化粧の色は僅かに黄味を感じさせ、全体に表れた貫入や所々に見られる鉄班が味わい深い景色を生み出しています。

高台内までしっかりと白化粧が施され、魅力的な景色です。

御物袋と箱が付属します。箱の作りも特別なもので、前所有者がどれほど大切にしていたかが伝わってきます。
[担当|大塚麻央]
✳︎この作品の掲載期間は12月20日12:00までとなります。
店舗で実物をお手に取っていただくことが可能です
来店予約