高麗青磁茶碗
- 地域/時代 朝鮮半島 / 高麗時代13世紀
- サイズ H8.0×W10.3×D10.3㎝
- 状態 金直し、古い時代の薄いニュウ(詳しくは写真をご覧ください)
- 付属品 桐箱、仕覆(丹波布)
- 品番 40nk-112
高麗青磁の茶碗をご紹介します。

外側は素文、内側の縁に一周線を引いたシンプルなデザイン。
小さな高台から鋭く立ち上がり、口はわずかに内にすぼまった端正なかたち。
オリーブグリーンに近い色をしています。
高麗青磁と聞いて想起する青みの強い青磁色より深みのある趣。
この落ち着いた色味だからこそ、お茶を存分に引き立たせる魅力をもっています。
まさに日常のなかでお茶をたのしむのにぴったりの一碗と思い、今回ご紹介させていただきました。

元々は盞(さん)と呼ばれ、茶や酒を飲用するための器です。
“茶と酒は精神を清める”という、とある新羅の儒学者の言葉が残っているように、お茶とお酒は朝鮮半島ではとても重要なものでした。
新羅後期にお茶が朝鮮半島へと伝わり、高麗時代には仏教と共に茶文化の最全盛期を迎えます。当時は王族、貴族だけでなく、僧侶、庶民ら皆がお茶を楽しんでいたそうです。
そのため、高麗時代にはお茶にまつわる道具が数多く作られました。本作もまたそのなかで作られたものでしょう。
盞の中ではやや大振りなので、茶碗としてぴったりのサイズ。
もちろん、お抹茶だけでなく、ほうじ茶など普段のお茶椀としてお使いいただくのもいいでしょう。

口縁に小さな金直しがちょこちょこ、古い時代の目立たない薄いニュウが数本あります。
その他は、時代なりのコンディションですが、大きなキズはありません。作られてから約800年経つものです。気にしすぎることはありません。
大切にされてきたのでしょう。とても丁寧な金直しです。
詳しいコンディションは写真をご覧ください。

仕覆は、茶色を基調に藍を合わせた落ち着いた印象の丹波布で仕立ててあります。
[担当|深谷愛]
✳︎この作品の掲載期間は12月20日12:00までとなります。
店舗で実物をお手に取っていただくことが可能です
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