時代竹組箕
₩738,000
「箕(み)」とは、穀物をふりわけたり、収穫物をとりいれるために古来用いられてきた農具のこと。
元は実用のための道具ですが、豊穣の季節を象徴するものとして菓子器や花器に見立てて茶湯に取り入れられてきました。
菓子器としての箕には、内側を漆で塗り上げ、菓子を盛る上での実用性と見た目の華やかさを高めたものも多くありますが、こちらの箕はそういった元から茶道具として作られたものとは異なる、野趣溢れる力強い趣です。
横方向には竹、縦方向には蔓のような木の繊維を用いて籠目に編んだ本作。経年により、竹の部分は美しい飴色に変化しています。縦横で質感や光沢の異なる素材を組み合わせていることによって、変化に富んだテクスチャーを生み出し、面白味となっています。
箱の張札には、「時代竹組箕菓子器 吹寄用」と書かれます。数奇者によって大切に用いられてきたのでしょう。
U字に曲げられた箇所を中心に木の皮の剥げが所々にありますが、全体的に艶やかで美しい経年変化の様相です。
花器としても見立てることもでき、芒や野菊、照葉など季節の草花をまるで吹寄のように活けるのも素敵です。
ほんの短い季節でも様々な場面で秋の風情を存分に演出してくれるでしょう。