猿投灰釉高杯
¥345,455
- 地域/時代 日本, 猿投窯 / 平安時代
- サイズ H7.0×W12.0×D12.0㎝
- 状態 縁に1.5㎝の共直し
- 付属品 桐箱
- 品番 43nk-70
猿投窯では9世紀から灰釉や緑釉を施した施釉陶器である「瓷器」の生産が始まり、その中でも灰釉を塗布して全体を白灰色に焼き締めたやきものは「白瓷(しらし)」と呼ばれました。
本作は、白瓷の高杯。白瓷以前の古代陶器である須恵器では定番の形ですが、意外にも白瓷ではあまり見かけません。
皿の部分は大きめで、縁が緩やかに立ち上がった形。プロポーションは美しく、この曲線ひとつとってみても、優美な平安時代の美意識を映しているようです。
一方で脚に目を向けると、細やかで緊張感のある作り。瓷器は元々金属器の替わりとして作られたため、金工品のようなシャープな造形性を求め、陶工たちもそれを追求したことが細部からも見てとれます。
内側は灰釉の溜まりができ、淡い緑色が艶やかです。反対に外側は白瓷の土の細やかさ、特有の灰白色が表れています。
このような古代陶器は傷や直しがあるのが当たり前。ましてやこの形状ですので、大傷でも貴重ですが、奇跡的にも本作は縁に1.5㎝程度の共直しがあるのみ。非常に丁寧で上手な修復がされています。以前の所有者もまたこの作を高く評価していたのでしょう。
平安時代中期に編纂された辞書である『和名類聚抄』では、「之乃宇豆波毛乃(しのうつはもの)」として紹介されている瓷器。“うつわ”の祖形とでも呼べるような素朴さと平安時代らしい風雅が共存しています。
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